【2021年新作】モンブランが新たに投入した、“1858 プロダクトライン”の新作とは?

 高級筆記具だけでなく腕時計やフレグランス、革製品などさまざまなカテゴリーを展開する“MONTBLANC(モンブラン)”。

 2021年最初の新作は、特殊な新素材を採用したモデルと、1930年代に発売された復刻モデルの二つを発表。どちらも“1858 プロダクトライン”から発表された。

 1858は、ストップウオッチや腕時計用クロノグラフの名門として名を馳せた“ミネルバ”社の創業年を名前に据えた、ブランドの主力コレクション。ヴィンテージ感あふれるデザインコードと、自然回帰というトレンドを組み合わせた特徴などが挙げられる。

 簡易的ではあるが1858の特徴を踏まえた上で、早速、新作の2モデルを紹介していきたい。

 

》ヴィンテージ感あふれるデザインコンセプト
 まずひとつ目は、“モンブラン 1858 スプリットセコンド クロノグラフ リミテッドエディション18”。1930年代に登場した、軍用の46mmミネルバのミリタリークロノグラフを再解釈した新作だ。

 最大の特徴は、“ライムゴールド”と呼ばれる、革新的なK18ゴールド合金をケースに用いている点だろう。淡い黄みがかった緑色に変化する、濃い金色であることからライムゴールドと名付けられた同素材。ちなみにライムゴールドを用いた時計はブランドで初となる。

 ライムゴールドの色は、K18金(Au 750‰)、銀(Ag 238‰)、鉄(Fe 12‰)で構成される特殊合金から成り、真のヴィンテージの美の表現にふさわしい独特の色を醸し出す。それに合わせてサンレイ仕上げの特徴的なゴールドカラーの文字盤を備えているのもポイントだ。

 また優れた読みやすさとヴィンテージスタイルを提供するべく、ゴールドを基調に、12時位置にある歴史的なモンブランシンボルマークとともに、コブラ形の時針、スネイルスケール、中央のスプリットセコンド針、タキメーターとテレメーターのスケールなどを、対照的な緑色で組み合わせている。

 アラビア数字インデックスはスーパールミノバを配しつつ、特別な工程によって発光材料をカプセル化し、輪郭のない“モノブロック”形状を実現。加えてオリジナルのミネルバと同様に、機能性とヴィンテージ感の両方を与えてくれるテレメータースケールを採用。視認性と実用性も高められた。

 よりヴィンテージ感を強調するために、ベルトにはベージュのステッチ仕上げが施された、ヴィンテージグリーンカラーのヌバックアリゲーターレザーベルトをチョイス。バックルにはケースとマッチする、K18ライムゴールドを用いた。

 特徴的なゴールドカラーの文字盤、対照的なグリーンの配色に、それにマッチするヴィンテージグリーンのヌバックカーフストラップなど、色の調和がこの時計を個性的に演出しているのだ。

 

》自社キャリバーMB M16.31もオリジナルを踏襲
 搭載自社キャリバーMB M16.31は、モノプッシャークロノグラフ仕様。1909年誕生のオリジナルミネルバキャリバー19-09CHと、懐中時計と腕時計の両方に使用され1930年代に開発された進化型のキャリバー17-29からインスピレーションを得て製造された。

 クロノグラフとスプリットセコンド用の二つのコラムホイール、水平クラッチを備えるほか、先代モデルと同様、V字型ブリッジ(1912年にデザイン特許取得済)と、従来の振動数毎時1万8000(2.5Hz)で鼓動する18本のスクリューが付いた、大型テンプで構成。

 デザインとしてはコート・ド・ジュネーブ装飾、面取り、サーキュラーグレイン仕上げ、ベベルカットなどの伝統的な手仕上げによる美しさが特徴的。なおすべての加工は、ヴィルレのモンブランマニュファクチュールで行われる。

 このリミテッド エディションでは、プレートとブリッジは、K18ライムゴールドのケースと文字盤に調和する、K18ゴールドでメッキ加工されたジャーマンシルバー(洋銀)で作られている。

 

》オフィサーケースに刻印された装飾
 ふたつ目は“モンブラン 1858 モノプッシャー クロノグラフ オリジンズ リミテッドエディション 100”。1858のなかでも、ダイアルからケース、ムーヴメントに至るまで、オリジナルのあらゆるディテールが再現される、“オリジンズ”コレクションから登場した。

 1930年代の46mm ミネルバ ミリタリー モノプッシャー クロノグラフにインスパイアされて製作されたモデルで、マニュファクチュールの起源に敬意を表している。

 同作は単なる復刻モデルの域を超え、オリジナルモデルの重要なディテールを残す。ヴィンテージ風のひねりを加えつつ、ブロンズ特殊合金製の46mm径のケース、裏ブタが開閉できる“オフィサー”ケースバック、ベージュの要素が加えられたヴィンテージブラックのダイアル、そして調和した深みのあるブラウンアリゲーターストラップなどが特徴に挙げられる。

 まずケースは、過去の探検道具を彷彿とさせるブロンズの特殊合金で作られており、エイジングが楽しめる仕様に。

 さらに従来のポケットウオッチと同様に、オフィサー(士官用)ケースバックが追加されているため、ムーヴメントを保護しつつ裏表に特徴的な彫刻が施されている。

 外側には“女神ミネルバ”の頭部が描かれており、内側には、“Ré-édition du chronographe militaire Minerva des années 1930 dotéd’un calibre fait main dans la pure tradition orlogère suisse(スイスの時計製造の伝統を踏襲したハンドメイドのキャリバー搭載、1930年代のミネルバのミリタリー クロノグラフの復刻モデル)”を刻印。

 女神ミネルバは革新的な技術を用いて描かれており、なんと実際に3Dレンダリングを行い、写真のような奥行きとリアリズムを加えているという。

 また両面にブロンズ仕上げを施したチタニウム製の金属は、最初に形にする必要があるため、図面のレリーフを考慮に入れて、装飾をレーザー彫刻する。次に、仕上げ(マットと光沢)もレーザーによって行い、最後に色付けをする。色はレーザーで生成された酸化作用によって作られ、酸化の度合いによって得られる最終的な色が決まるのだそう。

 ブランドは、このような革新的なテクノロジーを用いる最も先進的なスイスメゾンのひとつであり、ブランドの探求精神に即したものであると考えている。

 

》1930年代のオリジナルモデルを忠実復刻
 オフィサーケースバックを開けると、モノプッシャー クロノグラフの自社キャリバーMBM16.29が現れる。

 このリミテッド エディションでは、メインプレートとブリッジがかつてミネルバのムーヴメントに使われていた伝統的な素材である、未加工のジャーマンシルバー(洋銀)で製作。ミネルバ クロノグラフ キャリバーを忠実に再現しているのが分かる。

 もちろん、モンブラン 1858 スプリットセコンド クロノグラフ リミテッドエディション18と同様、コート・ド・ジュネーブ装飾、面取り、サーキュラーグレイン仕上げ、べベルカットなどの伝統的な手仕上げは一貫して、ヴィルレのモンブラン マニュファクチュールで行われる。

 加えてオリジナルのクロノグラフ キャリバーと同様、キャリバーMB M16.29はアイコニックなV字型ブリッジ、コラムホイール、水平クラッチ、毎時1万8000(2.5Hz)振動を採用。

 デザイン面においては、ブラックダイアルに対照的なローズゴールドカラーのコブラ形針とアワーインデックスにベージュのスーパールミノバを配し、夜間の視認性を考慮したほか、オリジナルのクロノグラフを彷彿とさせる、文字盤上のミネルバのロゴを6時位置に対称的に配置。

 また歴史的なムーヴメントへのオマージュとして、クロノグラフのプッシュボタンの先端にはミネルバの矢印を刻印した。

 ほかにも大きめのスモールセコンドと30分積算計をもつバイコンパックスカウンターや、レイルウェイミニッツトラックなど、ヴィンテージのディテールのすべてにオリジナルデザインを再現しているのだ。

 

MONTBLANC(モンブラン)
モンブラン 1858 スピリットセコンド クロノグラフ リミテッド エディション 18

■Ref.128085。K18ライムゴールド(44mm径)。3気圧防水。手巻き(Cal.MB M16.31)。世界限定18本。4万9500ユーロ(日本円約637万円、2021年5月発売予定)

 

モンブラン 1858 モノプッシャー クロノグラフ オリジンズ リミテッドエディション 100

■Ref.128506。ブロンズ特殊合金(46mm径)。3気圧防水。手巻き(Cal.MB M16.29)。世界限定100本。317万1500円(2021年5月発売予定)

 

文◎Watch LIFE NEWS編集部

 

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