ザ・グレート・サスケ-男の肖像時計の選択(パワーウオッチVol.117)

左がセイコー 5スポーツ ブライアン・メイ コラボモデル、右がガンダム35周年記念 シャア専用G-SHOCK。いずれも限定モデルでマニア人気の高い逸品。いずれもプレゼントされたものだが、気に入っていて大事に使っている

  伝説のマスクマン、ザ・グレート・サスケ選手にも学生時代はあった。

「私の世代は中学校に進学したときに、腕時計を買ってもらうっていうのが通過儀礼になってたんですよ。当時は電卓機能が付いているデジタル時計がセンセーショナルで、私も親に頼み込んで買ってもらいました。3万円くらいだったから、中学生にはかなり高価なものですよね。それを喜んで使っていたんですけど、体操部の部活が終わって手洗いしているときに手洗い場ではずして、その場に置き忘れちゃったんですよね。数分後に気付いて取りに戻ったんですが、そのときにはもうなくなっていた。たぶん不良の先輩とかに持ち逃げされちゃったと思うんですけど、青春の切ない思い出です(笑)」

 高校に進学しても時計にまつわる悲劇は続く。

「次はフォルクスワーゲンの“VW”ロゴが入った時計がなぜかかっこいいと思って、それを買ってもらったんです。当時はウェイトリフティング部と空手部を掛け持ちしていたんですが、中学時代のトラウマがあるから、二度と盗られないように練習中もずっと時計をしていました。そうすると当然ぶつけたりして、ガラスが割れてボロボロになっちゃうわけです。そんな感じでいつの間にか壊れちゃいましたね」

 プロレスラーとして人気が出たころには通販にはまり、通販カタログで気に入ったデザインの時計をよく注文していた。電池が切れたらコレクションボックスに収納し、そうした時計が20本くらいあるという。最近愛用しているのはシャア専用G-SHOCKと、セイコーのブライアン・メイ(クイーン)モデルで、いずれも貰いものだ。

「G-SHOCKはバンダイナムコの企画担当の方に直々にいただいたものです。ありがたいことにバンダイナムコさんの運動会に例年お呼びいただいてまして、以前から仲良くさせてもらっているんですよ。ジムでトレーニングするときによく使ってますね。クイーンの時計は昔からのファンの方に贈っていただいたものです。特にクイーンのファンというわけではないんですが、渋い色味が気に入っていて、スーツ姿のときなどに使わせてもらっています。どっちもデザイン的に好きな時計ですね」
ブランドにこだわりはなく、自分が気に入ればどんな時計でも構わないと語る。

 「人にはロレックスを勧められたりもしましたが、自分としてはちょっとみんなとは違う主流じゃない時計がいいって思っているんです。そういうところは生活全般にしても、プロレスラーとしてのあり方にしても一貫してると思いますね」

 

ザ・グレート・サスケ(プロレスラー
THE GREAT SASUKE 1969年7月18日、岩手県生まれ。90年にプロレスラーとしてデビューし、海外遠征を経て覆面レスラーに転向。93年にみちのくプロレスを設立。東北地方に密着した興行スタイルと、ルチャリブレ(メキシカンスタイルのプロレス)を基調としたスピード感ある試合で人気を博す。新日本プロレスなど他団体にも積極的に参戦し、96年には初代ジュニア8冠王座に輝く。2003年には岩手県議選に出馬してトップ当選を果たし、県議を1期務めたことでも話題となった。現在も様々な団体のリングで活躍中。